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押出成形FAQ
お客様より良くあるご質問Q&A
樹脂材料について
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Q. 樹脂の略号が分かりません。
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Q. プラスチックって身の回りに沢山ありますが、
材質の違いとか良く分からないです。
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Q. 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の違いについて
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Q. 樹脂とプラスチックの違い。ポリマーと高分子の違い。
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Q. ペレットって様々な色・形がありますね。
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Q. クレーズとクラックの違いを教えて下さい。
成形技術について
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Q. ダイスウェルとは何ですか?
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Q. 押出成形で最も重要なことは何でしょうか?-A-
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Q. 押出成形で最も重要なことは何でしょうか?-B-
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Q. その他、押出成形で重要なことは何でしょうか?
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Q. 押出成形温度の目安ってありますか?
環境について
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Q. 押出成形は環境問題の解決に寄与できますか?
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Q. 押出機の摩耗に関して、バレルの寿命ってありますか?
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Q. 生分解性プラスチックについてどう思われますか?-A-
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Q. 生分解性プラスチックについてどう思われますか?-B-
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Q. 生分解性プラスチックについてどう思われますか?-C-
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Q. バイオプラスチックについて教えて下さい。
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Q. バイオマスプラスチックとは何ですか?
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Q. カーボンニュートラルな樹脂とは何ですか?
押出機について
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Q. 二軸押出機の同方向回転と異方向回転の違いについてご教授下さい。
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Q. 使用する押出機によりけりだと思いますが、
単軸押出機の押出量(可塑化能力)の目安はありますでしょうか?
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Q. 一般的な押出機のサイズを教えてください。
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Q. 最初にそろえるべき、単軸スクリュを教えて下さい。
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Q. 分配と分散の違いを教えて下さい。
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Q. 飽食供給と飢餓供給の違いを教えて下さい。
樹脂乾燥について
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Q. 予備乾燥時間は長くする方がよいのでしょうか?
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Q. 一旦開封した材料を次の成形で使用する場合に、
乾燥に関してどのような注意が必要でしょうか?
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Q. 熱風乾燥機を使用して予備乾燥しています。
材料メーカーの推奨している乾燥条件で
乾燥しているが、不良が発生します。
どのような原因が考えられるのでしょうか?
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Q. 乾燥時間が3時間も必要なのはなぜでしょうか?
成形不良について
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Q. 成形不良について教えて下さい(成形不良の種類、原因と対策)
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Q. 成形品の透明不良について
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Q. 成形品のスジ(筋)について
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Q. 成形品に溶融ムラがある
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Q. 成形品に色ムラがある
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Q. 押出量が不安定である(サージング)
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Q. 製品の寸法変動
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Q. 目ヤニが発生する
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Q. フィッシュアイまたは偽フィッシュアイ
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Q. ゲル
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Q. 異物
Q 樹脂の略号が分かりません。
A
樹脂やプラスチックでは略号(PP等)で表すのが普通です。 プラスチックの記号や略号については、JIS K 6899-1:2015 「プラスチック−記号および略語」にその一覧があります。代表的な樹脂の略号は表1を参照してください。 用語は業務を円滑に進めるために暗記が必須です。覚えましょう。
※表1.主要プラスチックの略号・一般名称・通称(JISからの抜粋)が準備してあります。お気軽にご請求下さい.
JIS K6899(2015)「プラスチックー記号及び略号」より抜粋
Q プラスチックって身の回りに沢山ありますが、
材質の違いとか良く分からないです。
A
プラスチックは現在大まかに40種類ほどが知られています。個々のプラスチックの特徴については、成書を読み、ご自身で実際に触って、成形して、覚えましょう。 ちなみに、世界的にみて、PE(ポリエチ)、PP(ピーピー)、PVC(塩ビ)、PS(ポリスチ)の生産量が多いです。身の回りのプラスチック製品を観察しましょう。 今では有料となったスーパーのポリ袋( HDPE )等。
たまたま今日使用した生活用品とプラスチック
Q 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の違いについて
A
チョコレートとビスケットに例えて説明することが一般的です。(図参照)
Q 樹脂とプラスチックの違い。ポリマーと高分子の違い。
A
以前は、樹脂( Resin )とプラスチック( Plastic )は同義語として使われていたが、1977 年のJIS K 6900 の制定により、現在では、樹脂は加工原料、プラスチックは加工製品と意味づけられています。 また、高分子( Macromolecule )は樹脂やプラスチックの上位概念で、樹脂もプラスチックも高分子に含まれます。Macromoleculeは学術用語で高分子の合成関係では、ポリマー( Polymer )という言葉を使う場合が多いようです。
Q ペレットって様々な色・形がありますね。
A
ペレットの形状の違いは樹脂メーカーやコンパウンダでのペレット製造方法(ペレタイジング = Pelletizing)の違いによるものです。 ペレタイジング方法は大きく分けて、ストランドカット(Strand cut)、ホットカット(Hot cut)の2種類があります。 他にシートカット法もあるが一般的ではないです。ペレットの形状を見ればだいたいどんな方法でペレットが造られたか想像できます。
※医療用の精密小型押出機では、市販ペレットが食い込まないので使えません。
医療用の精密チューブ押出にはミニペレットが必要になります。
Q クレーズとクラックの違いを教えて下さい。
A
プラスチックに力を加え曲げると、最初白化し、ついには割れます。 また、プラスチックを曲げた状態で化学薬品と触れると白化やひび割れが促進されます。 これを環境応力亀裂(ESC = Environmental stress cracking)と言います。 同じ現象でもいろいろな呼び方がありますので、注意しましょう。 例:ケミカルクラックやソルベントクラック他。 クレーズは初期の白化状態で、クラックはひび割れ状態です。 細かい亀裂としてのクレーズ(Craze)や大きなクラック(Crack)を生じます。 クレーズはクラックへと成長しついには破断に至ります。
クレーズとクラックの違い
Q ダイスウェルとは何ですか?
A
押出成形において、成形品の長さ方向が収縮し、直径方向のサイズ(内径、外径)が大きくなる現象をいいます。 押出機から出た溶けた樹脂(パリソンと言います)が金型から出てきとき、金型出口の径より膨らんでいるのを観察出来ていれば大丈夫ですよ。
ダイスウェル概念図
Q 押出成形で最も重要なことは何でしょうか?-A-
A
熟練技術者曰く、「ペレットをよく見ろ」という教えがあります。 これはペレットの段階で異物が混入していれば、製品に異物として混入するし、ペレットに色むらがあれば、製品の色むらとして出やすい。 また、ペレットの形や寸法にバラツキがあれば、ホッパー部での供給やスクリュへの食い込み量が変動することを示唆しています。 ペレットの観察は主に外観形状、寸法、かさ密度、安息角の測定を行います。
Q 押出成形で最も重要なことは何でしょうか?-B-
A
熟練技術者曰く、「押出機は回してナンボ」という教えがあります。 これはせん断応力によるメルト品質のことを指しています。 均一に溶融されたメルトを得る努力をしましょう。押出機の回転数は最低でも20回転、好ましくは50回転はさせないといい仕事をしてくれません。 また、押出機はスクリュサイズで押出量の守備範囲が決まって来ます。 回っているかどうか分からない回転数では焼け異物の発生や寸法不良がでやすいです。適正サイズの押出機を選びましょう。
※製品寸法と生産速度が決まっていれば、適正サイズの押出機、水槽、引き取り機をトータルで設計し製造ラインをご提案いたします。
計測機器を含めた自動化もご相談下さい。
Q その他、押出成形で重要なことは何でしょうか?
A
樹脂乾燥です。成形不良の多く(発泡、肌荒れ、目ヤニ)はプラスチックの吸水(水分率)が原因です。 また、予備乾燥は樹脂の予備加熱ですので樹脂の食い込み不良(サージング対策)にも有効です。
※軟質塩ビの自動運転ラインで樹脂乾燥機を搭載し、自動運転が可能となりました。
塩ビに樹脂乾燥と思われるでしょうが実際に運転の安定化に効果がありました。
Q 押出成形温度の目安ってありますか?
A
非晶性樹脂の加工温度目安(Tpaと略記)とガラス転移点(Tgと略記)の関係および結晶性樹脂の加工温度目安(Tpcと略記)と融点(Tmと略記)には一定の関係があります。 つまり、ガラス転移点または融点と押出温度には相関が見られます。 成形温度の目安としては、Tpa= Tg +100~150℃、Tpc= Tm +20~30℃ という経験則があります。
Q 押出成形は環境問題の解決に寄与できますか?
A
できるだろうかではなく、積極的に取り組まなければなりません。国際的な枠組みの下、CO2排出削減に取り組むよう、地球温暖化対策と経済成長の両立を目指して行く必要があります。 成形加工に携わる技術者はこの取り組みにいかに貢献できるかを考えなければならないと思います。 具体的に何をすべきか?答えは省エネに尽きます。国際エネルギー機関(IEA)の「世界エネルギー見通し」で、複数のCO2削減シナリオが提言されていますが、その主な施策は“省エネ(Energy saving)”です。 技術的な貢献として省エネが50%と大半を占めていて、他の再生可能エネルギー開発や バイオマス燃料よりその貢献度は高いです。
※成形加工、特に押出成形では次の点に着目したいです。
① 効率の悪いモーターの交換
② 摩耗したバレルの交換
③ 加熱冷却の適正化(ヒーターの交換)
また、材料ロス(貴重な資源)については次の観点が必要です。
④ 不良率(コンタミ、目やに、規格外等)
⑤ 材料ロス
⑥ 時間ロス
⑦ ユーティリティーロス(電気・水・エア)
⑧ 作業時間ロス
Q 押出機の摩耗に関して、バレルの寿命ってありますか?
A
始業点検項目にバレル・スクリュの摩耗に関する目視確認を入れるべきです。 ・二軸押出機の場合:コンパウンドで交換目安は2年 プラマグなどでは3ヶ月~半年の交換頻度 ・単軸押出機の場合:軟質塩ビ( F-PVC )5年、 オレフィン系( PO )7年、 フィラー入りコンパウンドでは3年 ※注意点)樹脂対金属でも金属(バレルやスクリュ)は摩耗します。 点検を怠らないことが大事です。
Q 生分解性プラスチックについてどう思われますか?-A-
A
生分解性プラスチックは医療用途として、生体内で徐々に分解・吸収されるので、縫合糸、骨ネジや徐放性製剤に使用されています。 ポリアミノ酸、脂肪属ポリエステル、ポリ‐ε‐カプロラクトン(PCL)、ポリビニルアルコール(PVA)などがあります。
※海洋での分解性の点で生分解性プラスチックは勢いを失いかけたましたが、石化資源に頼らず再生可能であり、CO2を増加させないカーボンニュートラルな素材として見直されています。
Q 生分解性プラスチックについてどう思われますか?-B-
A
土壌中で分解される生分解性プラスチックとしては、キトサンや澱粉などをプラスチックに混ぜる方法と、 それ自体が分解するポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクネート(PBS)などがあり、 農業用マルチフィルム、緑化工事用ネット、育苗ポット、ゴルフティ、釣り糸、ルアー、生ゴミ袋、食品容器、使い捨てオムツ、歯ブラシなどに応用されています。
※例えば、100%バイオマス由来で、海水中でも生分解される株式会社カネカの生分解性バイオポリマ Green Planet® などが注目されています。
しかしながら、従来から汎用されてきた樹脂に比べ高価であることが難点です。
汎用プラスチックがキログラム数百円に対し、生分解性プラスチックは数千円もします。これでは使い捨てに出来ない価格と考えます。
Q 生分解性プラスチックについてどう思われますか?-C-
A
分解のメカニズムは主として加水分解や微生物による分解です。 但し、その分解速度は遅く、理想的な条件(例えば生ゴミ処理のコンポスト中など)でも分解するのに1ヶ月程度かかります。 また、ほとんどの生分解性プラスチックは海洋中では分解されないです(分解されるものもあります)。
※今や樹脂材料は様々な形で,日常生活になくてはならないものとなっています。
しかし、海洋プラスチック問題やゴミ問題等が避けて通れない問題です。
環境問題や循環型社会の 構築のためにはカーボンニュートラルな材料という視点が不可欠であり、同時に成形加工時の環境負荷低減(省エネ)にも気を配る必要があります。
Q バイオプラスチックについて教えて下さい。
A
バイオマス(Biomass)とは、生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」です。 バイオマスプラスチックは原料として再生可能な有機資源由来物質を含み、化学的または生物学的に合成することにより得られる高分子材料と定義されています。
Q バイオマスプラスチックとは何ですか?
A
バイオマスプラスチックは生分解性と非分解性に分けることができる。 石化資源(石油 化学品)から合成されていた樹脂でも、バイオマス由来のモノマーからの合成も実用化されています。 例:Bio-PE、Bio-PETなど。 100 %バイオマス由来原料から作られるものや部分的にバイオマス原料を用いた例があります。 例えば、CA=セルロースアセテートなど。 バイオマスプラスチックの識別は日本バイオプラスチック協会が行っていますが、バイオマスプラスチック度が25 %以上のものを「バイオマスプラスチック」と識別しているそうです。
バイオマスプラスチックの分類
Q カーボンニュートラルな樹脂とは何ですか?
A
生分解性プラスチックはすぐには生分解しないので、現在ほとんどが焼却に回されています。 また、海洋では生分解性しないものがほとんどです。生分解性を持つゆえに環境配慮に優れているという説は現在では下火になっています。 逆に生分解性の表示によりごみの投棄が増えるのではないかとさえ危惧されています。 代わりに脚光を浴びているのがカーボンニュートラルという特性です。 自然界の植物が光合成により固定する二酸化炭素の量と、植物由来の燃料や原料・製品の焼却や生分解により排出される二酸化炭素の量が同じであることです。 太古に蓄えられた化石燃料の燃焼で大気中の二酸化炭素が増えるという考え方ですね。
※プラスチックは丈夫で腐らないという特徴を活かして幅広い分野で利用されてきたが、自然環境中で分解されにくいために様々な環境問題を引き起こしています。
近年、レジ袋等のサイズの大きいプラスチックごみとマイクロプラスチックによる海洋 汚染が深刻になっています。
生分解性プラスチックの多くは脂肪族ポリエステルであり、ポリ乳酸(PLA)が代表格ですが、PLAは海洋では分解されないです。一方,ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)、ポリブチレンサクシネートは海洋中の微生物で分解されます。
バイオマスプラスチックや生分解性プラスチックの実用化に向けて、ブレンド、複合化、成形技術が活発に研究されています。生分解性プラスチックは分解性であるがゆえ、成形加工の難易度が高いです。
特に保管や成形加工時の水分管理は厳密に行わなければならないです。
成形加工の原理を学び、成形不良や材料ロス、さらにはエネルギーロスを減らし、その 機能や性能を余すことなく引き出すことが要求されている時代です。成形技術でCO2削減に貢献したいですね。
Q 二軸押出機の同方向回転と異方向回転の違いについてご教授下さい。
A
同方向回転はボルト・ナットの原理と同様に摩擦作用を主として樹脂を搬送します。 かみ合わせ部でプラスチック材料の共回りが防止されるので、材料はバレルに沿って前方に押出されます。 これに対して異方向回転の場合、スクリュ軸は相手のねじ山によってほぼ完全に塞がれているので円周方向の動きは殆どなくそのまま前進する仕組みです。 またスクリュの回転方向から見ても、樹脂がネジ山の隙間に入ってせん断応力を受ける程度が少ないので 自己発熱が小さく単軸に比べれば練りムラも発生しにくいです。 溶融樹脂の流れ方は、同方向回転と異方向回転のそれとで8の字形軌跡の描き方が異なっています。
※異方向回転型は過熱を嫌うPVC等のコンパウンディングや成形に、同方向回転型は強力な混練が必要なコンパウンディングに適しています。図を参照してください。
Q 使用する押出機によりけりだと思いますが、
単軸押出機の押出量(可塑化能力)の目安はありますでしょうか?
A
押出量の常識としては、φ65㎜押出機で、背圧 10 MPa の場合、1rpm = 1 kg/Hr.(樹脂の比重=1.00 )を目安として覚えておくと便利です。 押出量は使用する樹脂(密度)、グルーブバレルや強制フィーダの有無、スクリュデザインや回転数により変化するので一概には言えないのですが、 65 mm 押出機であれば、守備範囲は Q = 40 〜 100 kg/Hr.の押出量です(経験値)。
Q 一般的な押出機のサイズを教えてください。
A
通常使用される押出機は D = 20,25,30,40,50,65,90 mm で、20 mm以下の小口径押出機は汎用ではないです。 医療機器の精密チューブや治療用カテーテルの押出成形では、20mm以下の小口径押出機が用いられます。
Q 最初にそろえるべき、単軸スクリュを教えて下さい。
A
図を参照してください。前提条件は市販ペレットと二軸混練ペレットの使用です。 フルフライトスクリュやミキシングスクリュでは二軸混練ほど材料を混ぜることは出来ません。 L/D=24の場合の代表的なプロポーションの例 ①緩圧縮タイプ F/C/M = 8/8/8 (Dまたは山) ②急圧縮タイプ F/C/M = 12/4/8 ③メータリングタイプ F/C/M = 8/6/10
※これらのスクリュの使い分けやバリアスクリュ、ミキシングスクリュについては弊社に使用目的をご相談下さい。
顔料の分散性向上、樹脂温度ムラの解消、省エネルギー等で実績のあるデザインがございますので、使用目的に合ったスクリュをご提案いたします。
Q 分配と分散の違いを教えて下さい。
A
混練の基本となる分配( Dispersion )と分散( Distribution )の違いについて解説します。 図は分配と分散の違いを模式図で示しています。第1成分と第2成分を混練する場合を想定しています。 分配は第1成分と第2成分それぞれがある程度の塊を形成し、存在場所を変更するだけです(位置交換といいます)。分散は第1成分、第二成分それぞれがより小さな塊となる場合です。 分配と分散を同時または交互に繰り返すことで、第1成分と第2成分が均質に混ざります。 これが混練の目的になります。 押出機内での分配つまり各成分の位置交換を起こすのには流路の分割で行います。 また、分散を起こす原理としてはせん断応力によるものと伸長応力によるものが知られています。
※樹脂に添加剤やガラス繊維などの補強材、顔料などを混ぜるのに、混合や混練といった言葉を使いますが、混合や混練の基本的な考え方を整理しておきたいですね。 辞書を引くと混合は「異なった性質のものがまじり合うこと。
また、まぜ合わせること。」また、混練は「よく混ぜ、練り合わせること。
複数の異なる材料を混ぜて練り込むこと。
英語のmixing、kneadingなどに相当する。」とあります。
押出成形の場合は樹脂に他の材料を練り込む操作なので混練とよぶことにします。 混練は「混ぜる」「潰す」「練る」「つく」などの作業を同時に行い、材料が均一に混ざった状態を作り出すことや、反応押出やポリマーアロイなどの場合においては元の材料と違った性質を獲得するのにも利用されています。
Q 飽食供給と飢餓供給の違いを教えて下さい。
A
通常、単軸押出機では樹脂の供給は飽食供給方式が多いです (Flood feeding)。 ホッパーに一定の高さで満杯の樹脂が供給される状態となります。 これに対し二軸押出や射出成形ではホッパー部に樹脂を充満させない飢餓供給(Starve feeding)が行われています。 二軸押出機ではトルク低減やガス対策として重量フィーダによる飢餓供給が常識となっています。
Q 予備乾燥時間は長くする方がよいのでしょうか?
A
予備乾燥は、適正な温度で、成形不良が生じない最小時間で行ないます。 ペレット中の水分が乾燥して少なくなると、平衡水分率に達し、それ以上乾燥しても効果はないです。 乾燥時間が長すぎると、樹脂によっては熱酸化劣化を起こしてペレットが変色(黄変)することがあります。
Q 一旦開封した材料を次の成形で使用する場合に、
乾燥に関してどのような注意が必要でしょうか?
A
開袋して大気中に曝すと、大気中の湿気を速やかに吸収して、開袋していない材料に比較すると吸水率は高くなる傾向があります。 したがって、予備乾燥時間は、開袋していない材料より長くする必要があります。 特に、防湿袋に入っている PA樹脂の場合は、開袋して時間が経つと吸水するので、予備乾燥を十分行なってから成形します。 開袋した材料の予備乾燥時間は、保管された環境(温度、湿度)によって異なり、こと前に水分計でチェックして適切な時間を決めます。
Q 熱風乾燥機を使用して予備乾燥しています。
材料メーカーの推奨している乾燥条件で
乾燥しているが、不良が発生します。
どのような原因が考えられるのでしょうか?
A
材料メーカーの推奨している乾燥条件は、除湿乾燥機の使用を前提にした条件です。 ①乾燥機への材料投入量が多いと、ペレットの温度が乾燥温度に達する時間が長くなること、またペレット内を通過する乾燥空気の流速が遅くなることなどが考えられます。 この場合は乾燥時間を長くする必要があります。 ②一旦開袋した材料で成形する場合は、乾燥時間を長くする必要があります。 水分計を使用して乾燥前の初期水分率を測定することが必要です。
Q 乾燥時間が3時間も必要なのはなぜでしょうか?
A
樹脂乾燥はペレットの予備加熱でもあり、熱伝導率の低い(温まりにくい)樹脂材料を均一に温める(芯まで温める)のに最低3時間は必要です。
Q 成形不良について教えて下さい(成形不良の種類、原因と対策)
A
押出成形で良くある成形不良と原因例 押出成形はその連続性という性質から成形不良に対する早急な対応が必要となります。 原因も対策も様々であり、現場・現物を見ないと効果的な対策とならないです。 それどころか言葉の違いで真逆の対策を打ってしまうことすらあります。 成形不良は見分けることが大事です。迷わずご相談下さい。
Q 成形品の透明不良について
A
(1)他樹脂の混入(透明のはずが濁る様な場合) (2)表面肌荒れ(シャークスキン) 二つの原因が考えられます。どちらかによって対策が全く異なります。 以下、同様で原因が分かれば対策はおのずと出てきます。
Q 成形品のスジ(筋)について
A
(1)ダイの傷・汚れ(炭化物の付着) (2)黒条(黒い筋) (3)透明な筋(ウエルドライン) (4)銀条(シルバーストリーク、発泡)
Q 成形品に溶融ムラがある
A
次の二つの原因が考えられます。どちらかによって対策が全く異なります。 (1)樹脂温度にムラ (2)未溶融樹脂(ソリッドベッドの破壊)
未溶融樹脂(フィルム)の例 画像提供:ITSジャパン株式会社
Q 成形品に色ムラがある
A
(1)原料ペレットに色ムラ (2)顔料や添加剤の分散不良
Q 押出量が不安定である(サージング)
A
(1)食い込み不良 (2)過剰な背圧(メッシュ・ダイの抵抗) (3)スクリュービート (4)バレル・スクリュの摩耗
Q 製品の寸法変動
A
(1)サージング現象(脈動) (2)ドローレゾナンス現象
Q 目ヤニが発生する
A
(1)プレートアウト現象(添加剤や異種材料の影響) (2)水分の影響
目ヤニの実例(F-PVCチューブ) 画像提供:ITSジャパン株式会社
Q フィッシュアイまたは偽フィッシュアイ
A
同種樹脂へ比較的高分子量のものがコンタミした場合、比較的低分量成分が比較的高分子量の成分を包み込み斑点の様に見えます。 異物核がある場合、丁度、魚の目の様に見えるのでフィッシュアイと呼ばれます。 図を参照してください。 フィルム・シートで良く問題視され、外観的によろしくないので不良とされます。
Q ゲル
A
架橋した樹脂がもやもやした塊として見える状態です。 マトリックスとなる樹脂が重合工程あるいは押出機内で架橋反応を起こした場合です。 架橋樹脂樹脂のコンタミとなります。 わずかに屈折率が異なるのでもやもやとなります。
Q 異物
A
大きくは練りこみ異物(黒点不良)、付着異物に分けましょう。 異物は工程内の浮遊異物のコンタミ~押出機内発生~押出物への付着等原因はさまざまです。